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三業株式会社の紹介から、相生市のイベント情報、環境に関するトリビアやニュースまで、様々な話題を楽しくお届けします。
こんにちは。
三業株式会社のニノミヤです。

朝、うんうん唸りながらキーボードを叩いていると、電話がなった。
揚水ポンプが自動運転せず、高架水槽に水が貯まらない、とのことだった。
「すぐ伺います」
私は言った。
現場へ車を走らせながら、たったいま得た情報を整理してみる。

①昨日、A社が配管の改修を行った
②改修の際、高架水槽の水、建物のなかを走る給水管の水をすべて抜いた
③配管改修後、通水するつもりが揚水ポンプが起動しない
④減水の警報は出ているが、まったく揚水しないので、手動で水を揚水した
⑤上記が、昨日のはなしで、いま、高架水槽にどれだけ水が残っているかわからない
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高架水槽を確認すると、水位がかなり低下していた。
高架水槽は屋上にある。
いい天気だった。空を眺めながら、ゆっくりと思考をめぐらす。
A社は「ポンプが悪い」と言って帰ったらしい。そうだろうか。
有名なバタフライエフェクトや、レイブラッドベリのサウンドオブサンダーなんて映画を思い出す。
浄化槽の点検をするとき、放流槽、沈殿槽、曝気槽、流量調整槽、原水槽の順に点検を行う。
これは汚水の流れと逆方向だ。
なぜ逆順なのかというと、上流で行った作業が、下流に影響を与えてしまうからだ。
先に原水槽に調整を施してしまうと、果たしてそのあとで観測する流量調整槽は、前回の調整だけを純粋に反映したものなのかというと、やはり違ってきてしまうのだ。
タイミング的にもA社の作業が今回の揚水不良と無関係なわけがない。
何かキッカケがあるはずだ。それは、過去にタイムトラベルして、一匹の蝶を踏み潰してしまうような、小さな変化かもしれない。
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電極を一応確認してみる。
現場は不特定多数のひとが利用する四階建の建物で、受水槽を置き、揚水ポンプで高架水槽に水を送り、高架水槽より重力によって各階に給水している。
高架水槽の水が減ると揚水ポンプが動く仕組みで、高架水槽の減水はこの電極で検知している。水が減り、電極が水から離れ、通電しなくなったことを『減水』として感知し、ポンプ運転の指令を送るのだ。
電極の不良として、電線と電極保持器が断線して延々揚水を続ける、というケースがある。
今回のように揚水しないということは、断線ではなく、短絡が考えられるが、あまりない事例だ(電極保持器のなかに蜂の巣があり、全電極が通電していた、ということが一度だけあった)。一応、と書いたのはそのためだ。
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受水槽機械室へ向かいながら、これまでのおさらいをする。
①揚水ポンプは正常である(手動運転が可能だから)。
②電極の異常ではない(目視で確認)。
さて。
私は明確な目標を持って機械室へと歩いていた。
上の写真のようなリセットボタンがある筈なのだ。
またA社のことを考える。
ラプラスの悪魔、という面白い考え方がある。東野圭吾の小説にもあるのでご存知の方も多いだろう。

もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。byピエール=シモン・ラプラス『確率の解析的理論』


すべての原子の位置と速度が完全に把握出来れば、原子の未来の挙動も過去の挙動もすべてがわかる、という考えだ。
運命はあらかじめ決まっている、私がこの今日の出来事をブログに書くことも決まっていたこと、と解釈しても同じことだ。
しかしこの考えは、ドイツのハイゼンベルグが唱えた不確定性原理で否定された。
観測者が被観測者にまったく影響を与えずに、何かを観測することが不可能だと証明されたのだ。
水温を計る、絶縁を測る、何をするにしても観測者の影響からは逃れられない。
A社の作業と今回の件を切り離して考える方が不自然なのだ。
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ポンプの制御盤にはリセットボタンがなかった。そういう盤も多い。
理屈や方法は省くが、制御盤内で高架水槽減水の検知を解除すると、ポンプは勢いよく動き出した。
映画や提唱に頼っていろいろ書いたけれど、内容は薄い。
そう、こんな簡単なうっすい作業なのに……!
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【2019/03/28 00:00】 | 三業のお仕事
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